いむげむ亭 ▼ 時々日記

陶芸家 中島惠のブログです。HP→いむげむ亭日常http://imugemtei.g1.xrea.com/

展観雑記・妙心寺展

ながながと展覧会記引っ張ってしまいました。
(途中、子供会の会長引き受け等、雑用がはいりまして・・)

さて、前述の展覧会とセットで出かけた「妙心寺展」
こちらのほうは、もともと好みの展示ではありませんでした。
正直なところは無料券があったからいったのです。

でも、行って見たら案外、いや、相当面白かったです。
座禅会がある日だったので参加してみたとか、
ブルガリアあたりの大使が来ている日でSPがいた、とか
ネタ的なトピックも色々あったのですが
そっちは、いい加減前のことになっていて忘れました。(え)

見たものの事については、覚えてますので、
2点ほどあげておきます。


【車つきの戸板(?)に乗った小型の船】

秀吉が長男棄君のためにあつらえたもの。
贅沢なおもちゃです。
まあ、年取ってやっと出来た実子、
秀吉パパの大喜びが見えるようです。
実際に幼児が乗り込み、召使に引かせて遊んだようです。
かまり立ちに乗ったと思しきあたりの手すりが堅牢なこと・・・
幼い我が子を心配するのは戦国期でも同じです。

その隣に小さな小さな鎧兜一式。刀も一振り。
曲線がきれいなシンプルデザイン、
でもその金色はホントのGOLDですよね♪・・な兜。
室町期の名工による脇差を中に仕込んだその刀。
蒲生氏郷さん、加藤清正さんあたりが、
センスとお金全開で製作献上した逸品です。

この棄君、3歳ではかなくなるわけですが
妙心寺はそのお葬式が行われたお寺なのですね。
その関係で棄君の遺愛品が納められていたと。
弟の拾君(秀頼)のほうは大阪城とともに全部燃えてしまっています。
3歳で死んだがゆえに、その愛用品が妙心寺に納められ
焼失を逃れて豊臣の栄華を伝えるよすがとなっている・・
歴史の皮肉を感じます。

豊臣家とのかかわりだけでなく
現存する寄進状や、手紙には戦国武将たちの直筆が沢山!
肖像画も、生存当時に描かれたもの多数。
歴史小説、ドラマ好きには、ここでゆっくりキャラ分析も楽しいです。
手紙を端から読んでいれば、それだけで何時間でも遊んでいられそうでした。

長谷川等伯の名品「枯木猿猴図」】

れがなんといっても「ツボ」でした。
あーもう、いいものはどこにあってもやっぱりいい!。
木のワイルドな格好よさ、猿のふわふわしたかわいさ、
手や、枝の伸びやかさ・・・と、
違った良さが1つの画面で溶け合ってます。
1つほしいわ。・・・うん。