いむげむ亭 ▼ 時々日記

陶芸家 中島惠のブログです。HP→いむげむ亭日常http://imugemtei.g1.xrea.com/

パンを切る

昨年ホームベーカリーを導入してから
当然ながら焼きたてパンを切断する機会が増えまして。

パンをスーパーで買っていた頃は、
「2斤分の一本食パン」や「イギリスパン」を切る時に
某リサイクル店で掘り出した「ヤスキハガネG-92」という
スライス専用包丁が活躍していました。
ただ、このヤスキ氏は、元々柔らかいものを薄く切る用の刃物。
「向こうが見えるスライストマト」とか「サンドイッチ用の極薄切りパン」でこそ
感動の技を発揮してくれる、繊細なお道具。
いわば「包丁界の指物職人さん」(?)です。

さて、一方 我が家のホームベーカリー。
家電の小型ですから、どうしても熱源が小さく、
当然ながら耳が部厚くなります。
(↑この理屈が知りたい方は別途ご質問ください。)
このヤスキ氏に切断を頼むには、ちょっと仕事がガテンな感じ・・
同じを切る仕事だからって
指物職人さんに、大工仕事を頼むような感じです。

さらに。
うどんで有名なこの辺りの地粉は【中力粉】
フランスパンに適してます。
何より家族全員フランスパン大好き♪
当然作る回数も増えまして。

これ、焼き立てが 超美味しい!ですが、
焼き立てカットは 超難しい!んですね。

外は御存じの堅い皮
これが、焼き立てならば正真正銘のカリッカリです。
大工仕事どころかの仕事のような堅さ!!!
切らされるヤスキ氏も
「俺の刃が擦り減る~勘弁してくれぇ~」と泣きごと。
(・・・を、こぼしてる気がする)

逆に内部は外の高温堅い皮で封じ込まれた水分がたっぷり。
まるで「粗いスポンジ状の餅」
引き切ろうとすれば、餅状パンが強力糊と化し刃にまとわりつき、
容赦なく繊細なその鋸目に入り込み埋めこみ固化し、ついにはナマクラに・・・
これにはさすがのヤスキ氏もイメージ 1
「・・歯が立たねえ、よ。」と苦笑い。
(したような気がする)

そこで!
パン切り包丁の購入にふみきりました!
新人は「堀孝行」という名乗りですから
通称はタカユキ氏、ですね。

届いた日、
太極拳で夜の帰宅が遅かったにもかかわらず
切れ味見たさに翌朝用のパンを仕込みました。

刃の波も穏やかだったヤスキ氏とは逆に
すこし大き目で、鋭く尖がってます!
この刃の形状がパンに最適なんですね。
まとわりつく餅糊攻撃にも、鋭い波の先端は曇ることなく
外皮ザクザク切り開いてくれます!
難度の低い食パンではもう
美しい切断面うっとり

いやぁ、ぴったりしたお道具ってよいです~
開発した方製造する方 愛 を感じて幸せになります。

願わくば
今後もこの切れ味が続いてくれますように。