ゆうさく
先月の1日。小さな祝いを終えた夜。
台所の勝手口で猫の声がした。
網戸越しに覗き込む黄色く光るビー玉二つ。
人感センサーに照らされても逃げようとしない。
ハチワレ、白黒、とがり耳。
おなかが空いているのだろう、
祝いの客なら馳走して進ぜよう、と
残してあった猫フードを開けた。
それからひと月、市に相談して「さくら猫」となり
「ペーロン・ゆうさく」と呼ばれ
庭の一角に滞在を続けている。
瞬く間に木に駆け登り、降りられずに鳴く。
夜中に喧嘩、傷だらけ。カラスにからかわれ、カエルを追う。
腹ペコ主張は大声で、腹が満ちれば甘えたい。
障害猫だったグニャにはなかった
やんちゃな猫の姿を見せてくれる。
これから冬だね。
どうしようね・・グニャ。
グニャが今もいたら、
外から覗き込んだ時点で猛烈に威嚇の「シャー!!」
とっくに追っ払われていたよね。
猫の幸せって、人の幸せって何だろうね。
駆け巡ること?
安全室内暮らし?長生き?
壁のグニャ、写真の猫に問いかける。
昨日の雨で白萩は散った。
フジバカマが咲いた。
ゆうさくは昼寝。
グニャ
一周忌。