いむげむ亭 ▼ 時々日記

陶芸家 中島惠のブログです。HP→いむげむ亭日常http://imugemtei.g1.xrea.com/

秋の虫の話 2題

の虫の話1

柿の木を見上げていたら、2㎝ぐらいに育った「イラガの幼虫」を発見。
これが翡翠だったらさぞ高価であろうと思うような
やや光を通す鮮やかな緑の体に、を示す黄色とげが2列
さわったら大変なことになる毒虫だ。

退治のために高枝切りバサミを取りに行こうとしたその時、
「ブブブブブ」というはっきりした羽音と共に
大き目のハエというか、小ぶりの蜂というか、黒っぽい羽虫が8の字を描きながら
警報音のような大きな音を立てて飛んできたか、と思ったら
その「イラガの幼虫」の背に止まった!のだ。

【え?かすっただけでも火傷のように痛いイラガなのに、この蜂は平気なのか?】

そう思いつつ目を離せずにいたら、
いつもは動じない(?)イラガの幼虫の方が
腹側の黄色が見えるほどに身をよじって抵抗している様子が。

蜂はいったん離れ、また8の字に飛ぶ。
近くを同様に飛ぶ同じ蜂と一瞬絡まる様子を見せ、すぐに別れ、
またイラガへと向かう。

ああ、これは交尾だ。
とすると、イラガに卵を産み付けてる?
寄生蜂か!!

私が観たのは寄生蜂がイラガに卵を産み付ける瞬間だったらしい。

寒くなる前に、越冬に備えて固い繭を作るイラガ。

春先に繭を破って出てくるのは、イラガか、蜂か。

命がけのドラマの結末を見守るかどうか、
ちょっと迷ったけれど、
やっぱり「高枝切りバサミ」を取りに行きました。
チョンと切って、さようなら。
蜂さんにもイラガさんにも、恨みはないんだけど、ごめんね。


の虫の話2

イチジクを収穫しに行ったら、目をつけていた食べごろの実は、
鳥に先を越されて、中空の皮だけになってました。
やられた!と思いつつ、残りもどうぞ、と残しておいたら、
今度はがやってきて優雅に食事を始めた。

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アゲハのようなきれいな羽もよう。鮮やかな赤い斑点。
でも、下羽にアゲハみたいな水滴デザインがない。
ふわふわでぽってりした腹。
少しくたびれた羽。産卵前なのかな。
うちのイチジクジュースは美味しいでしょう。

メルヘン気分でカメラに収めた。

 

さて、後刻。
ネットで調べてみたら
「アカボシゴマダラ」という名だという。

外国から持ち込まれた外来種特定外来生物
蝶マニアによる人為的な放蝶で増えたとされ、
その行為をゲリラ放虫」と呼ぶと知る。
増やして放てばに触れる、とも。

禍々しい文字列物騒な新語の出現に、
私のメルヘン気分は萎んで消えた。

 

蝶には罪はないんだよね。

アカボシゴマダラさんにも、なんかごめんね。