いむげむ亭 ▼ 時々日記

陶芸家 中島惠のブログです。HP→いむげむ亭日常http://imugemtei.g1.xrea.com/

【縁三展】

 




この冬に、拝見した作品展のお話。
 

一つ目。
日本画 残した想
い宮下和子 回顧展

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宮下和子回顧展案内状
熊谷八木橋5階アートギャラリーにて、2020年最初の企画展。
宮下さんとは、数回前の個展に立ち寄ってくださったところからのご縁。

大学の10年後輩にあたるという私に気さくに話しかけてくださった、
その笑顔がハンサムでカラッとしていて
もう一目で好きになってしまった、熊谷在住の日本画家さん でした。
 
宮下さんの作品は
瑞々しさと季節の光が画面に宿って、絵のある一隅が明るくなる感じ。
それが一堂に集められた会場のエネルギーと、慕って集まる方々の賑わいに
より一層 彼女の不在が際立つ
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ミモザ」や「アジサイ」の作品には 横顔が浮かび、
「猫」の作品には、笑顔が浮かび、
「落ちた花弁と力尽きた小鳥」を描いた作品には
「一休禅師が正月に頭蓋骨を持って歩いた話」が浮かび・・・
いつか、会えたらお話ししましょ。
 
 
二つ目。【中島由夫展】 
北青山 Gallery Concept21にて

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由夫さんからご案内
爆発力と生命力、色彩あふれる壁に取り囲まれて
その中心に、作品よりも(もしくは同じぐらい)生命力あふれるご本人。
「80歳だよ!」と言いながらも、相変わらず少年のよう。
お訪ねしたタイミングが良すぎたのか、
ギャラリーのご主人・大野さんに
お昼ご飯にお誘いいただき、図々しくもお呼ばれ。
フィンランドから由夫さんご本人がご持参のチーズ付き!)
中島さんとのご縁は
昔々、浦和伊勢丹で個展を始めた頃からです。
お隣の大きなギャラリーを埋め尽くす彼の作品群にも圧倒されましたが
ご本人の言動は(今と同じく)それを上回るパワフルさでした。
漢字で書くと同じ姓になる私の会場へ、ご自分のお客様を連れてやってきては
「これ
! んか買って。」と大嘘営業。
今は亡き奥様にもかわいがっていただきましたっけ。
(その頃は私も可愛かったし・・黙っていれば。)
私の工房を作る場所を探していた頃で
「川本町」に決めた話をしたら、
由夫さんご本人の故郷だったのには驚きました。
(最初はいつもの法螺だと思って信じなかったのは内緒。)
しきりと「あそこはやめなさい(笑)」って言ってたっけ。
やめられないと話すと、
「じゃぁ、お守りに僕の絵をあげるから壁にかけておきなさい。」って作品を。
 
画の効力でしょう、由夫さんのご兄弟もあれこれとお世話になり
今もお付き合いが続いています。
今回も、ギャラリーのご主人にご紹介くださいました。
私の持参したDMもみてくださって、「作品自体は魅力的」と。
実現には遠く、提示されただけの販売力はない私に由夫さんが
「見てくれて、良いと言ってくれた、これは素晴らしいことだよ。
あとは恵さん次第。リスクはあるよ。売れたければ失敗の覚悟もしなきゃ。」
単身フィンランドへ渡って絵を描き続けてきた由夫さんの言葉は
まっすぐで真摯で ズン
停滞の多い私に入ったパンチが、今日もじんわりかいような。
 
 
三つ目 【ヒュッゲな時間】
これは昨年の秋、11月開催の展覧会。

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夏の個展の際、熊谷まで来てくれたフェルト作家の奥由起子さん。
そのグループ展に新規参加する陶芸のメンバーが、
大学時代の無二の同級生・香取葉子さん、と聞かされて
友達の友達がみな友達になる工芸の縁が嬉しく、
「これは絶対行く!」と即宣言。
楽しみにして案内が届くのを待っていたのでした。
 
西日暮里から歩く谷中墓地~上野の道筋は昔なじみの懐かしい道。
目指す会場の「市田邸」は、6年通った芸大の絵画棟の真裏でした。
今回、はじめて中に入りました。
畳・床の間・縁側・小さな庭が懐かしい作りの日本のおうち。
落ち着く家に、落ち着く工芸作品が楽しく並び、
目をやれば塀越しの風景も落ち着く大学の落ち着く校舎。
若干の経年劣化で落ち着きを増した友の顔。
恋バナが老化愚痴バナに変わっただけで
呆れるほど変わらない友達との時間が楽しくて楽しくて、
おしりがすっかり落ち着いてしまい、次の用事は取りやめ!
時間いっぱいお邪魔して、楽しくお喋りして過ごしました。
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↑ 連れ帰った奥由起子さんの作品。白い「ボタン」と、上品な「コースター」
2枚目画像の猫ブローチはいむげむの母から昔もらった欧州土産をコラボして
大型ブローチにしてみたところ。
 

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さて、本年最初の更新、遅ればせながらアップいたしました。

書きたい雑談はたくさんあるのですが、
まとめるまでに時間をつぎ込み過ぎてしまうのです。
今年もぽつ・・ぽつ・・っと書いていきます。
 
展覧会告知も、決まればそちらはすぐに更新いたします。
(現在確定待ち。五輪関連規制事情が不透明すぎて遅れているようです。)
 
ご縁をいただく皆々様、
今年もどうぞ よろしくお願いいたします。