自然からの導きは猫に聞くとしても
自然では済まない判断も残る。
一番難しかったのは「薬」のことだった。
食べないのだから薬も当然飲まない。
どの薬を優先して飲ませるかを決めなきゃならない。
心筋梗塞を抑える薬、 血栓を溶かす薬、
肺に水を溜めないために利尿作用のある薬
どれも9年間、命を伸ばしてくれた薬だ。
やめる薬を選ぶ事は、死に方を選ぶ事。
とてもつらい選択だ。
一人では決められず、獣医師さんに電話で相談し、
考える手助けをしていただいた。
これまで9年間、薬を取りに行くたびに
病状について重ねてきた会話が土台にあるから、
厳しい見極めも言葉にして頂けたのだと思う。
時をかけて得た信頼は何よりの宝!
それを強く実感した。
(小島先生、ありがとうございました)
なお、これ以下は、
「最終段階で薬を絞りこむための考察過程」です。
【胸水と心臓肥大のある高齢猫の投薬とみとりの例】を
知りたい方のみお読みください。
それ以外、特に猫の飼育をなさっていない方には
不要の記録になります。
1────────────
<獣医師さんからの意見>
この衰弱の原因として
「9年も飲んでいる利尿剤が効かなくなっている可能性」
「腎臓が悪くなっている可能性がある」
<私の観察と考察>
尿はほどほどの色で出ているし、
水も自分でヨタヨタ歩いて行ってでも水飲み場で飲んでいる。
したがって、
【腎臓は機能&利尿剤はまだ効いていると考える】
2────────────
<獣医師さんからの意見>
「ガンについては食が進まないので、ガンも育っていない。
したがって転移を心配する必要はない。」
<私の考察>
→肺ガン転移等、ガン由来の衰弱は考察から排除できる。
3────────────
<獣医師さんからの意見>
「努力呼吸があるなら、肺に水はある程度溜まっていると考えられる。
注射で抜きに行く処置と、ストレス・感染症の危険性を天秤にかけて判断が必要。」
<私の考察>
→ 痛い医療行為はなるべくしない。
呼吸が救急レベルにならない限り、予防的に水は抜かない。
4────────────
<私の考察>
・・・そうなると、
①自身の胸水で溺死②餓死③心臓発作か血栓か
選択肢から、安楽なものを選べば
おのずと投薬優先順も決まる、と。
そう考えるに至り、最後の質問へ。
5────────────
<私の質問>
先生、
胸水が溜まって呼吸が出来なくなるのと、餓死とどちらが苦しいですか?
→
<獣医師さんからの解答>
「とても苦しいのは胸水の方です。この年齢の餓死は衰弱死なので、
比較的苦しみは少ないでしょう。」
→では、胸水を溜めないケアを継続、餓死を選びます。
<獣医師さんからの意見>
「ならば、利尿剤は継続です。心筋梗塞の薬も継続です。
血栓予防はもう不要かとおもいます。」
→考えがまとまりました。ありがとうございました。
───────────────────────