いむげむ亭 ▼ 時々日記

陶芸家 中島惠のブログです。HP→いむげむ亭日常http://imugemtei.g1.xrea.com/

窯を守る

台風21号が日本列島の横を通るので、また大雨が降るという。
前日。夜になってから、急に窯屋根が心配になってきた。
 
19号の直後は確認した。
最小限の雨漏りで済んでホッとした。
でも。
あの後の風で、煙突のブルーシートがちょっと変に揺れていた。
雨水を逃がすベニヤ板も飛んで落ちてた。
ほかの大きな作業に気を取られて忘れていた・・・
 
午後11時。
このまま忘れておこうかな、とも思った。
でもやっぱり窯場に見に行った。
窯の周りは大丈夫っと、煙突周りの水除もOK。
椅子を移動して窯の上を見て、
うわぁぁぁ!!
ブルーシートをかけた上に,水が溜まってるううううう
20リットルはあるううううう!!!
 
なぜ?
 
バケツと柄杓でくみ出して水を捨てる。
めりもない、きれいな水。
これは、夕方からの雨でたまった新しい水だ。
 
母屋の2階に駆け上り、雨戸をあけ明かりをつける。
向かいの窯屋根が雨の夜空に照らし出される。
同居人にも協力を依頼、
二人で雨合羽を着込んで、梯子を出す。
足場用板を抱えて屋根に上る。
屋根の上を点検する。
ガルバの表面についた黒い砂埃。
これは19号雨水が含んでいた埃だろうか。
水の導入口を教えてくれる大事なヒントだ。
ふき取りながら、水の侵入経路を推理する。
 
汚れが強かった傘釘周りの水除けを置き換えるが、止まらない。
違う。この穴じゃない。

板の重なり目が黒い・・これは?
逆水?45㎝をさかのぼって?3枚に増やしたのに?
ちょっと押してみる。
軽く押すと鋼板の重ね目から汚れた水が
浸み出てくる。これか。さてどうする。
 
強くなった雨脚が私の頭上の帽子をたたく。
水冷式のCPU、脳の回転には良さげ♪
・・・ぴったりと重なったトタンが水を吸い上げるんだから
逆に隙間を空ければ吸い上げない・・・・
水冷式の効果あってか、ひらめきで即行動。
足場の下げ板から捲れかかったベニヤをはぎ取る。
細く折って【アイスクリームの木のスプーンを縦に4つ割にしたぐらい】にする。
細く薄いベニヤ片を、トタンの重ね目に差し込んで隙間を作る・・・
毛細管現象に待ったをかける。
次の雨脚が来る。金属の屋根を打つ雨音が強くなる。
流れの様子を見ながら、下にいる同居人に確認を頼む。
「うん、止まったね。」 
よっしゃ、ひらめき当たり♪
これで寝られる。
 
 
今朝。
雨漏りなし!!(ホッ)
これから大雨が来るけど、これならたぶん大丈夫。

ピッタリ重ねると雨漏りして、
隙間があるほうが漏らないのね・・
雨が増えてきた。
頑張れ窯屋根、窯を守って。